2015年8月17日月曜日

ウズベキスタン旅行記(その8)サマルカンドからウルグットのバザールへ決死のドライブ

ウズベキスタンで3日目、サマルカンドで2日目の朝です。
台湾などに行ったときは基本的に朝食は外と決めていますが、ウズベキスタンではホテルで朝食をとりました。サマルカンドのホテルの朝食が、素晴らしくよかった。
バッフェなのですが、欧米風の定番メニューに加えて、毎朝おねえさん方が準備してくれるウズベキスタン風の粉もん系(薄い、クレープのようなもの)も、白チーズもとっても美味しい。特に、あんずのジャムが最高に美味しかった。タシケントに戻ってからもあんずのジャムは食べたけど、サマルカンドのホテルのものには及ばなかったです。

 そしてこの日はわたくしにとっての大きなイベントが・・・・・・。
サマルカンドから車で1時間ほどの山間にある町「ウルグット」にのバザールに行くこと。ここではスザニ刺繍のバザールもあり、ウズベキスタンの他で買うよりもたくさんのスザニが集まり、かつ安く手に入るというではありませんか。
スザニ刺繍、昨年のトルコ旅行で偶然購入したのですが、その時はスザニがウズベキスタンのものだとは知らず。知人のお兄さんが営む土産物・雑貨屋が中央アジアのアンティークなどを扱っており、そこで購入したのがスザニ刺繍とウズベキスタンのお茶碗。これはもう、ウズベキスタンに行ったほうがいいんじゃないか・・・とその時から考えていました(笑)。ウズベキスタンに呼ばれているとしか思えない!
さらにスザニ刺繍について調べていると、このウルグットバザールの情報が出てきて、これは行くしかないと決断しました。平日にもやっている日があるようですが、一番盛り上がるのが日曜日らしい。旅程も日曜日にウルグットに行けるように組みました。

 ネットや地球の歩き方で下調べをし、だいたいこのあたりからウルグット行きの乗り合いタクシーに乗れそうだな・・・とめぼしをつけていました。当然「ここウルグット行きマルシュルートカ乗り場」なんて看板が出てたりはしません。念のためにホテルのおにーさんにも前日のうちに「明日ウルグットに行きたいのだが」と質問をしておきました。「あの噴水のところに茶色い壁画があるだろう、そのあたりから行けるよ~」「いくらぐらいかかるの?」「行ったことないから知らないけどお~」というザ・テキトー具合(笑)。

 ホテルで朝食を済ませ、とりあえず教えてもらった場所に行ってみるべくぶらぶら歩いていると、数メートル先からおにーちゃんの眼力にロックオンされました。もしや・・・と思って近づくと「ウルグット?」と。「ハー(Yesの意味)、ウルグット!ウルグット!」と連呼しながら駆け寄りました。おにーさんの背後にはおねーさん3人組が。彼女たちと一緒に乗り合いで行かないか、ということみたいです。おねーさんたちも感じが良いし、もう、行っちまえ!と。おねーさんたちのうちの一人に「ウルグットまでいくら?」と訊くと「8000スムよ」と。そのあとでおにーさんに訊いたら同じく8000円スムとのことだったので、野生の勘でよし、これなら安心できると思ったのでした。

 タクシーというかおにーさんの個人の車で、週末のちょっとした小遣い稼ぎにやってるって感じなのですかねー。しかし車はきれいだし冷房も効くし、快適ではありました。後部座席に3人娘、助手席に私。まぁ、しかたのない配置なのですがこれがもう途中でおしっこチビりそうになりましたよ・・・。
シートベルトしようとしたら「要らないよ~大丈夫~」って、ワシが恐ろしいんじゃ!!

 この決死のドライブを私の文章力で皆様にお伝え出きるのかどうか。
サマルカンドの市街地を外れてしばらくいくと、それはもう広大でのどかな風景が広がっております。子供たちが牛を連れて道をトコトコ歩いていたり。ものっすごい田舎です。道には中央車線などというものは存在せず、石だらけでガタガタ。それをなんとか、おにーちゃんはスピードを緩めたり早めたりしながら上手くかわすように運転してくれるのですが・・・。ガタガタを交わして思いっきり道の真ん中にきた瞬間に、反対側から大型トラックが猛烈なスピードでやってきたりするので、正面衝突しそうで助手席にいる私はたまりません。
途中、何度も「南無三・・・」と思いました。今死んだら誰が気づいてくれるだろうか?予定日に出社しない?どうなった?とそこでやっと気づかれるのかしら。愛する人にはウズベキスタンにいることは伝えてあるけど、ちゃんと手紙書いてくればよかったわ・・・などといろんな思いがよぎりました。今日は自分の命日になるかもと本気で思いました。途中、案の定正面衝突して大破した車に人だかりが出来ていたりするのですもの(涙)。

 この辺りの風景、写真を撮ろうかと何度かiPhoneを出しかけては悲鳴を上げそうな状況になりやめる、の繰り返しでした…(なので、道中の写真はナイ)

 まぁ、しかし、なんとか、死んだじーさんばーさんと父親が守ってくれていたのか、生きてウルグットにつくことが出来ました。道中、おねーさん達が後ろからおやつを分けてくれたり(コアラのマーチのバッタもんみたいなやつとか・・・)携帯の翻訳アプリを駆使して「バザールで何をみるの?」と話しかけてくれたりとか。私も翻訳アプリを使って返事をしたので、やはりWifiあってよかった!と思いました。

 バザールの向こうには、山が広がって本当にのどかなところです。思った以上に広い。



バザールの入り口。頼んでないのにカメラ目線をキメるおっさん…。








道中ご一緒したおねーさん達とはバザールを入ったあたりでお別れです。日本から遠いウズベキスタンの、それもサマルカンドで、ウルグットのバザールにたまたま同じ日の同じくらいの時間に行くことにあって、言葉も通じない同士が1時間同じ車でドライブって、すごい偶然だな・・・としみじみ思いました。普段、彼女達はここでどんな暮らしをしてるのだろう。とっても興味がわきました。言葉さえ出来ればもっと踏み込んで仲良くなれたかもしれないけど・・・。でも私の勘は外れてなかった。何度も死ぬかと思ったドライブだったけど、彼女たちが話しかけたりおやつくれたり、お喋りや笑い声に和んだりしたから。
(もう1人のお姉さんは、恥ずかしがって映ってくれず)





超ローカルなバザールに圧倒されながら、スザニ刺繍のエリアを目指します。

(つづく)